2022年5月 東海支部HPご挨拶

(公社)日本鋳造工学会 東海支部
 支部長 前田 安郭
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 2022年4月総会で支部長に就任しました大同大学の前田安郭です。就任にあたり僭越ながら少しご挨拶申し上げます。

 国連でSDG’s(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)が策定され、とくに環境問題から、CF(カーボンフリー)あるいはCN(カーボンニュートラル)を目指そうとする試みがあります。自動車産業界では、電気自動車へ転換が進みつつあります。自動車産業に大きく依存する日本の鋳造産業界も、本影響を受けて、転換の岐路に立とうとしています.
 また、ビッグデータやIoTで表現される、デジタル及びネットワーク技術が色々な生産現場に導入されつつあります.ちなみに、このデジタル化及びネットワーク技術による急激な変化はいつ頃から始まった思いますか? 同じ質問をいつも学生に対して行っていますが、私は「人工知能(AI)が人間の知能を越えたと言われる2015年~2016年が該当する」と答えています。切符をつかわず改札口はタッチで通過、コンビニではバーコードの電子決済で支払い、このような既に馴染んでしまった社会は、わずか5~6年の間の出来事です。ここ最近に急激に変わったことを認識しなければいけません。新型コロナウイルス感染症の拡大により、在宅勤務、オンライン会議が普及したことも、この変化を加速させたことは否めません。
 デジタル化、ネットワーク化により急激に進化する時代において、デジタル化を駆使して、いくつかの命題、すなわち SDG’s、およびCN(カーボンニュートラル)を実現していかなければいけないと考えています。

 東海支部には、村井前支部長の指揮の元、築き上げてきた「3つのシンカ」のポートフォリオがあります。「3つのシンカ」、それは、
 ●鋳造工学会として極めるべき基本的な従来の技術研究は、更に深く探求する「深化」とともに、
 ●未だ暗黙知の多い鋳物の世界を解明するため、現状の環境変化に対応した新しい技術も積極的に取り組む「新化」、
 ●そして、鋳造技術を未来へ向けて継承、もっと良い商品、サービス、労働環境へと推し進める「進化」
というのポートフォリオを作成して活動してきました。この方針は変わりません。ここに、2022年度からはもう一つ
 ●「親化」を加えたいと思います。
モノづくりは仲間同士が協力し合って実現できるものです。そのために親交をもつことは非常に有効だと考えられます。「親しい親化」を追加した「4つのシンカ」を新たな東海支部活動ビジョンとしてとして活動していきたいと思います。

 アフターコロナを見据え、コロナ禍であっても、できるだけFace-To-Faceで話ができる状況でイベントを開催できればと考えています。2022年5月に第179回全国講演大会が、当校、大同大学にてハイブリッドで開催されます。状況が許す範囲内で、会場に来て頂き親睦を深めて頂きたいと考えます。この東海地区の全国講演大会は、日本を代表する鋳造分野に関する展示会を同時開催してきました。今回、リアルでの展示会開催は適わず、オンライン開催となりましたが、リアル開催に負けない、イヤ、凌駕できる有用なコンテンツが用意されています。ゲーム感覚で楽しめるチャット機能など、親睦を深めることが出来る内容に仕上がる予定です。是非、参加してただきたいと思います。

 以上、簡単にまとめますと、2022年度の東海支部は、「4つのシンカ」、新しい新化、深く追求する深化、まい進する進化、そして親睦を深める親化 を東海支部活動ビジョンとして、迅速、かつ適確に、活動していきたいと考えています。引き続き、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

以上

村井前支部長の挨拶